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白日会は絵画と彫刻の研究団体です。

TEL&FAX. 03-6280-5218

〒104-0032 東京都中央区八丁堀4-2-8-202





白日会第九十五回記念展結果報告

入選者推挙者受賞者選抜者
 
                                             
 賞(一部)の授与理由はこちら▶▶

  

審査所感

 絵画部

 中山忠彦会長から「白日会に相応しい品格ある作品を求めたい」との審査委員長挨拶を皮切りに、3月11日に一般入選の審査と会友推挙、12日には準会員推挙と会員推挙、ならびに白日賞をはじめとする「会賞」と、会員推挙者中最優秀の作家に授与される特別賞の富田賞の鑑審査が行われました(特別賞と法人寄託賞審査は19日)。
 今年の一般出品者は249名(280点)の出品で、入選者は159名(159点)の入選となり、会友推挙21名。昨年は262名の出品者中200名の入選、会友推挙40名でしたので、今年は昨年に比べ大変厳選という結果となりました。  
 なお、今年度は伊藤清永前会長の特別陳列もあり、また審査会は常任委員のみの編成で行われた(例年会員の審査員が数名加わる)こともあってか、審査会は襟を正しながら当会の原点である作品水準の高さを例年以上に求めた結果でもあるかと思います。また審査員過半数の賛成票と審査委員長の承認により、入選と推挙となる制度で公正に運営されています(「白日会の審査と展示、選抜の方法」を参照ください)。
 授賞に関しては、賞候補となった作品を審査会場に一堂に並べて審査員の投票とディスカッションを交互に重ね徐々に絞り込みながら決定しています。
 当会は「写実」を標榜しておりますが、現代では写真を元に制作され、写真的な作風を表現とされている方が多くあり、また当会の作風と思われている風潮もあるようです。しかし白日会の審査会では、表現の様式にかかわらず、根本的なところでのデッサン力、絵画性と自然さ、それに加えて品格が問われています。  
 こうした審査方針のもと、本審査会は、第九十五回記念展に相応しい入選作と授賞作、推挙者を公正に選定しようと努力いたしました。

                                             絵画部 常任委員会


 彫刻部

 白日会展は、今回で95回展を迎えました。今回は、特に若い人達の新しい試みなどを中心として、大変良い雰囲気の展覧会となりました。
 白日会は、具象彫刻を背景としています。その中で、各々が人体表現においての自身の切り口や解釈で自己表現に努めております。今までの彫刻表現には見受けられなかった彩色や素材の発掘等が散見されます。
 鑑審査にあたっては、次への期待を担い今日性を秘めた感性を持つ作品を求めました。
 残念ながら、対象者からの白日賞の選出は見送ることになってしまいました。
 しかし、吉田賞の選定にあたっては、該当する作品が複数となりました。あえて、第九十五回記念展賞を準備し吉田賞に併せての授賞となりました。
 今回で結論は出ません。けれども、これからの美術展の可能性を感じさせてくれる展覧会になると期待しております。

                                                          山本眞輔




賞・授与理由



内閣総理大臣賞               作者名 寺久保文宣    題名 「ECHO—赤の室内ー」

 セザンヌの言葉。「色彩の調和が進むに従い、デッサン(形)はますます正確になっていく」
 写実の妙諦に至るには、形から入るのと色から入るのと、形と色との双方から入るのと、三通りが考えられるが、寺久保の場合は、色から入る手法で、セザンヌの言葉が、寺久保のそのやり方を裏付けている。
 当作品は室内裸婦。色から入って調和を醸成、形を確かにし、雰囲気の魅力を豊かにしている。見事に写実の妙諦に達しているとみた。内閣総理大臣に推す所以である。
                                                     瀧 悌三(美術評論家)


文部科学大臣賞               作者名 冨所 龍人     題名 「待ち人」

 窓外に目をやり、待ち人を心待ちにする少女。窓からは柔らかい日差しが入り、室内を包む。装飾的要素を最小限に抑えることで、テーマを絞り込み、伝えようとする雰囲気をうまく表現している。シンプルだが計算された構成と、粗密のない的確な写実力によって、画面はひとつの完結した世界をもっている。さらに全体の色彩を抑制することで、清新な抒情性を生み出している。少女のさりげない表情を照らす光のニュアンスも効果的である。総じてレベルの高い作品であり、本作を文部科学大臣賞に推薦する。
                                               土方 明司(平塚市美術館館長代理)


損保ジャパン日本興亜美術財団賞   作者名 長谷川 晶子    題名 「木漏れ日の中で」

 都会の公園であろうか。生い茂る木々の葉の隙間から注がれる木漏れ日。作者は、都市生活の中での、つかの間の、そして普段は意識もしないような人と自然との触れ合いに目を注ぐ。作者は、大胆な色面と絵具のマテリアルの効果を体感しながら、場の光と空気さらには温度や湿度などの体感を、実感の総体として融合させ構成し表現しようとしている。当会の標榜する「写実」への取組みの一翼を担う中堅若手作家の優作として、高く評価した。